145回運営委員会
12月3日に「関西STS連絡会」第145回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:4団体)
NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市)
い~そらネットワーク(大阪市) 住谷 章


■ 資料関係:

①「くらしの足に危機感/フォーラム2016最多300人超参加」(2016.11.7 東京交通新聞)

「 くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2016(主催=くらしの足フォーラム実行委員会、後援=国土交通省、日本バス協、全タク連など16団体)が10月29、30の両日、東京・東洋大学白山キャンパスで開催、全国から参加した300人超が交流した。
 初日、高速バスと地方鉄道を経営するWILLER ALLIANCE(ウィラー・アライアンス)の村瀬茂高代表が登壇し、「『交通革新』と移動の目的となる『エモーションの創造』が地域に行きたくなる移動を生む」と強調した。
 2日目の白熱討論では、名古屋大学大学院の加藤博和環境学研究科准教授の司会で、若桜鉄道の山田和昭社長、十勝バスの野村文吾社長、三ヶ森タクシーの貞包健一社長が論議。山田氏は「こんな田舎に誰も来ないと言われながら、マーケティングに力を入れ、経済効果1,800万円を出し、地域が稼げる観光ビジネスを創出できた」。野村氏は「バス沿線住民を戸別訪問し、顧客の声を聞き取り、4年連続の増収につながった」。貞包氏は「元気なくらしの足を創り出すため、街に誘い出すイベント型乗合タクシーや、よろず相談をする会員制サービスなどをやりたい」と、それぞれ述べた。
 同フォーラムは年1回、地域交通の関係者が生きた事例を持ち寄り、全員集合。交通空白地問題への危機感の高まりから5年目の今回は過去最高の参加者に。発信掲示板を媒介に参加者が交流するポスターセッションは、昨年の倍の62団体・企業が参加。神奈川県タク協会川崎支部、全国子育てタク協会、第一交通産業、両備タクグループ、コミュニティタクシー、兵庫県バス協会、弘南バス、地域公共交通総合研究所、豊田都市交通研究所、システムオリジン、ナビタイムジャパン、日本カーシェアリング協会、各地方自治体などが出展した。」


②「《記者の目》過疎地の足どう確保/JR三江線の廃線」(2016.12.6 毎日新聞)

「 広島県三次市と島根県江津市を結ぶ赤字ローカル線のJR三江線(108.1㌔)が、2018年3月末に廃線となる。100㌔を超す路線が全線で廃止されるのは本州で初めてだ。沿線自治体はやむを得ず受け入れ、バス路線への転換に向けた議論を始めているが、「鉄道の代わり」を求めるだけでは済まない。高齢化と人□減少が進む地方の現状を踏まえた住民の足はどうあるべきか。自ら考え、向き合わねばならない。

鉄道存続には多大な運行費
 汀線は1930年に一部が、75年に全線が開通した。しかし、75年に16万7000人だった沿線3市3町の人□は、40年間で4万人減った。自家用車の普及の影響も大きく、乗客は激減しJR西日本が廃線を検討していることが、昨年10月に表面化した。実際、路線1㌔当たりで1日に運んでいる乗客数(輸送密度)は昨年度、JR西が発足した87年度の7分の1以下の58人に落ち込んでおり、JR西は今年9月に廃止を届け出た。
 地元負担による鉄道存続かバスヘの転換か。沿線首長らが検討したが、年間運行費はバスの最大3億1,000万円に対し、鉄道は8億7,000万円と見積もられる。小規模な自治体にとって実質的にバスしか選択肢がなかった。
 JR西は代替交通に協力する方針で、初期投資の全額と一定期間の運営費を負担する意向だ。三汀線の駅より多くバス停を設置し、各地区の拠点では学校や病院、商業施設へ巡回する案も示している。
 だが、廃線後にバスに転換したものの、利用者が伸びず便数も減った例もある。広島県の中山間地域を走っていたJR可部線の可部―三段峡間(46.2㌔)は03年に廃止され、バス会社が運行を始めた。だが当初7便あった1日の便数は今3便だけだ。沿線の安芸太田町は「雪が降るとバスが遅れ、利用者離れにつながった」と説明する。鉄道が無理ならバス――という選択は現実的なようで、地域交通の衰退に拍車をかけるケースも少なくない。
 「高齢化が進む地域が存続するには『ドア・ツー・ドア』の交通体系が大事だ」と提言するのは、島根県美郷町別府地区で送迎事業を展開するNPO「別府安心ネット」の樋ケ昭義理事長(73)だ。地区は住民約380人で高齢化率38.6%(15年3月末)。三江線は美郷町を走っているが、地区は駅から遠く、民間バス路線からも約5㌔離れていて町営バスの便数は少なく、タクシー業者もない。かねて「交通空白地域」だった。
 NPOは13年以降、町から譲り受けた小型バスや軽乗用車など3台を使い、自宅から病院などへ住民を送り届けている。過疎地の生活交通を担う道路交通法上の「過疎地有償運送事業」の許可を受け、住民のほぼ全員が年会費2,000円を払って支える。スタッフの人件費には国費も使っている。
 課題はある。運賃はタクシーの半額程度の1㌔50円に抑えているが、隣の大田市にある最寄りの病院まで片道1,000円かかる。この送迎事業は、昨年度の利用者が延べ約580人にとどまって年間約90万円の赤字を計上、町の助成金やNPOの別事業の収入で埋め合わせた。日常の足として使いやすい料金で収支を安定させるには、国の一層の財政的支援も検討する余地があると思う。
 それでも樋ケ理事長は、三江線廃線後の交通体系について「行政と一体になってつくり上げたい。NPOや民間に委託してくれれば、収支改善につながるし、雇用の場もつくれる」と意欲を示す。

「地産地消型」交通へ転換を
 鉄道は全国を線で結ぶ大量輸送機関で、その存在は確かに大きい。三江線の各駅に全国から一定数の観光客が訪れるのも、鉄道があるからこそだ。通勤に使う住民にとっても、雪などで乱れがちなバスは代替交通手段としては不安だろう。だが、地域交通に詳しい名古屋大大学院の加藤博和准教授(都市環境学)は「沿線の需要が少ないから廃線になった。同じ沿線にバスを走らせても三江線の亡霊を見るに過ぎない」と指摘し、「公共交通は地域が自ら考える時代になった。地産地消型の交通をつくる好機にしてほしい」と提言する。
 どこで暮らしていても移動の自由は確保されるべきだ。JR北海道が11月発表した維持困難路線は計1237㌔に及び、国の関与のあり方も問われている。しかし、人□や高齢化の度合いなど地域間の格差が広がっている今、公共交通のあり方は住民と自治体が主体となって考える方が合理的だ。その答えには各地で違いがあっていい。地域が新たな体系をつくり上げられるかが問われる。【関谷徳】」


今後の取り組み等の討議:

(1)「―訪問型サービスDは使えるか― 移動・外出を/多様な生活支援サービスで推進するセミナーin大阪」
■日時:2017年1月20日(金)13:30~16:30
■会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第
2ビル5階「第1研修室」)
■主催:
NPO法人全国移動サービスネットワーク
■共催:関西
STS連絡会  ■後援:大阪府
■記念セミナー次第
【事例紹介】
 ・亀山 芳香/米原市健康福祉部くらし支援課
 ・西秋 清志/大野木長寿まちづくり会社 社長
 ・畠山 和弘/黒滝村保健福祉課 課長補佐
 ・山□ 好仁/黒滝村社会福祉協議会 事務局長
【訪問型サービス
Dに係る市町村意向調査報告】
 ・石川 陽一/福祉デザイン研究所 所員
【全体討論:移動・外出支援のサービス創出の課題と対策】
 ・コーディネーター:島津 淳/桜美林大学 教授
 ・アドバイザー:中沢 豊/松戸市介護制度改革課 課長
           遠藤準司/
NPO法人 全国移動サービスネットワーク 理事


(2)「《いくのまちなか被災シミュレーション》 災害発生~何が危ない!? おとなもこどもも地域を見直そう」
■日時:2017年1月28日(土)13:00~16:00
■会場:コリアボランティア協会
■主催:関西
STS連絡会


(3)1月度~の「運転者認定講習会」の開催
 ◎ 1月23、24日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎ 2月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
3月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)


■次回運営委員会:2017年2月4日(土)pm6:00~8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所