第146回運営委員会 ■1月7日に「関西STS連絡会」第146回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時まで開催されました。 ■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:11団体)
■ 資料関係: ①「第7回四国地区移動サービスネットワーク(高知パレスホテル)」 (2017.1.28 中村守勝(移動ネットおかやま))
「1.全国移動ネットの中根さんより「移動サービスの全国的傾向と今後の課題」と題して、情報提供がありました。 この10年間で、市町村の福祉有償運送は、241から117と約半数になり、交通空白地輸送は、476から433と約10%減で、逆にNPO等の福祉有償運送は、2300から2458と約7%の増加して、公共交通空白地有償運送は56から99と約77%増加しており、2016年3月現在で、自治体の自家用有償運送は550団体、NPO等の自家用有償運送は2557団体となっている。 また、新総合事業のアンケートに回答を得た720の自治体で、訪問Dを現在実施している自治体は4つしかなく、今後実施する予定と応えた自治体も24であった。 2.高知県立大学の田中教授より、「地域の支えあいと住民主体の街づくり」と題して 高知県内の地域づくりとして、集落活動センター(住民組織が運営主体)と福祉の取り組みとして、あったかふれあいセンター(市町村委託)の2本立ての取り組みをしていて、廃校をサテライトとして活用したり、住民組織でガソリンスタンドやスーパーを運営するところ等があり、県立大学の学生も福祉的な取り組みだけではなく、農産物の生産から販売までのお手伝いをするなど様々な活動にかかわっている。 3.あいあい自動車 リクルートが行おうとしている日本型UBERのことで、 http://kochiyuka.com/?p=1403 車の所有者と運転する人が違えば、運転してくれた人に料金を支払っても有償の運送にはあたらないとした2006年の国交省の通達「自家用有償運送に関する通達について」 ○利用者の所有する自動車を使用して送迎を行う場合は、単に他人の自動車の運転を任されただけであり、運転者に対して対価が支払われたとしても、それらは運転役務の提供に対する報酬であって、運送の対価とはなりません。よって、許可等は要しません。 (例)運転者Aさんで、Bさんの所有する車を使って、Bさんを乗せていく場合は、単にAはBの車の運転を行う ※役務提供の態様等によっては、自動車運転代行業や労働者派遣業と看做されることもあります。 これをシステム化して、高齢者のグループで組合を作って、車両をリースするか購入するまたは、誰かが寄付する。運転者は別に登録した人で、その車まで行き、利用者を乗せて目的地まで行く。モデルでは15分600円の単価を設定して、35%はリクルートに支払い、35%は運営費で、30%は組合に車両維持費としての割合で支払うというものであった。 三重県の菰野町で社協が運営主体となって実証事件を行っている。長野県と富山県で動きがあるということでした。 日本版UBERについては、様々な問題点もあるものの、移動支援についても色々な形態がでてきて、行っていく中で見直しを図ることも大切かと思いました。例年20人くらいの集まりでしたが、今回は、新総合事業への対応もあり、移動支援への関心の高さか40人ほどの参加者でした。」 ②「《加藤博和氏(名古屋大学准教授)に聞く》交通事業者から魅力的な提案を」(2017.1.23 東京交通新聞) 「利便増進で対ライドシェア ――白ナンバーの公共交通空白地有償運送で運行を始めたライドシェアが注目されています。 きつい言い方をしてしまえば、バス・タクシー事業者がふがいないということ。利用者や住民にとって利便性の面で魅力があるから、ライドシェア導入の話が出てくるわけで、事業者がそれに代わる魅力的な提案を出せないのなら、ライドシェアを止めることはできず、じきに合法化も視野に入ってしまうのではないか。地方部で公共交通が不備だと感じるのは、①本当にない、②実はあるのに住民がそれを知らない、③あるのは知っているが不便なので使わない、の3パターンがある。 いずれにしても住民に公共交通が認知されていないのだから、どのパターンかを踏まえた改善提案を出すべき。それを出さないでライドシェア反対ばかりを唱えていると、住民や利用者からは「今の事業者は役割を果たしていないくせに」とあきれられ、心が離れていくことだろう。事業者は新しい提案などを積極的に出して頑張ってもらいたい。 IoTはおでかけサービスに必須 ――IoT技術をくらしの足にどう活用しますか。 今後、よりよい「おでかけサービス」を提供するために必須となる。バス・タクシーが現場でデータを収集し、それをオンラインで本社に送って分析することで、新たな運行管理体制の構築や乗客増加施策の実施に活用できる。IoTを活用すればリアルタイムで結果が出るから、どのように改善し、いかによりよいサービスを提供していくかという検討のサイクルが素早くできるようになる。だから、現場のことを分かっていない者があれこれ言って、妙なサービスを始めて失敗するという、よくあるプロセスを回避することもできる。 運行に関しても、これまで運転者は独りで責任を負っているような心境にあったろうが、リアルタイムで会社全体がバックアップするという体制は、運転者にとっても安心。こうしたことを現在、ウーバーがシステムでやろうとしている。そして将来的には自動運転技術とも結びつくことになる。事業者は、漫然と車を走らせているだけでは、この大きな流れの中で溺れてしまうだろう。 問われる自治体の主体性 ――2017年の地域公共交通政策で、自治体が真っ先に念頭に置いてやるべきことは何でしょうか。 くらしの足の中で公共交通が実際にどういった役割を果たすことが期待されるかという、あるべき姿と現実の姿との差をよく理解し、そこで自分たちが何をやらなくてはならないかを、制度や現状を考えながら自覚すること。別の言い方をすれば、主体的に取り組まなくてはならないという覚悟をすることが大事だ。多くの自治体がまだ、そこに至っていない。」 ③「《ウーバーアプリ有償運送》京丹後月60回利用」(2017.1.30 東京交通新聞) 「 米国Uber(ウーバー)の日本法人がスマートフォン配車アプリを提供している京都府京丹後市と北海道中頓別町の住民らの輸送実績が25日、国土交通省の藤井直樹自動車局長の定例会見で明らかにされ、京丹後は月平均約60回、1日2回のぺ-スで推移していることが分かった。藤井局長は「そんなに回数が出るものではない。新しい技術を使って輸送が確保されることが一番大事だ」と述べ、地域公共交通を確保する一助となっていることに歓迎の意を示した。 中頓別は25回 京丹後ではウーバーが配車システムの提供などで市の取り組みに協力し、NPOボランティアが自家用有償旅客運送の登録を受け、送迎を担っている。 説明によると、京丹後の輸送実績は、運送を開始した昨年5月26日から半年間で計362回。中頓別の回数は、スタートした同8月24日から3ヵ月間で計75回だった。それぞれ地元の団体などの集計による。 タクシー、バスへの影響について藤井局長は「もともと既存の交通では賄えないので、自家用有償運送が地域交通の役割を果たしている。創意工夫の下、安全管理をしっかりさせた上での輸送だ」と、バス・タクシー業界への影響はほとんどないとの見方を示した。 配車アプリに関し「アプリを使ってサービスが良くなるかにかかっている。スマホには慣れが必要で、高齢者が多い地域ではどのように使ってもらうか、工夫が要る」と課題を挙げた。 新年の抱負として藤井局長は「コンプライアンス(法令遵守)」と「技術革新」をキーワードに揚げ「軽井沢スキーバス事故や燃料データの不正など、昨年は世間を騒がした。事業者にはルールを守ってもらう」と強調。 新技術の開発・活用に向け「自動運転などによって、より安全な交通にし、人手不足や生産性の向上にも対応させる。IT(情報技術)を運送事業にうまく使うことが肝だが、特にタクシーでの動きは顕著。サービスが多様化・高度化できるよう、実行に移す」との構えを見せた。」 ④「《北海道天塩町》新たな交通開始へ/相乗り「のってこ」と提携」(2017.1.23 東京交通新聞) 「 中長距離・割り勘の自家用車ライドシェア(相乗り)マッチングサービスの「notteco」(のってこ、東京・品川区)は17日、北海道天塩町と提携し、同町と、最寄りの生活圏になる稚内市エリアを結ぶ新たな交通手段を今春、提供開始すると発表した。「初の地方都市専用のサービス」とアピールしている。 昨年7月に「地方創生人材支援制度」で副町長に就いた齋藤啓輔氏がのってこ側に協力を求め、実現した。住民説明会などを経て、春ごろまでにのってこのホームぺ-ジに専用コーナーを立ち上げる。ドライバー、同乗者ともに無料で利用できる。 天塩町の人□は3,241人。道北に位置し、稚内まで約70キロ離れている。自家用車を使えば1時間程度だが、直通の公共交通はなく、バスと鉄道を乗り継いで2時間以上かかる。マイカーを持たない町民は買い物や通院に不便を来しているという。 同社のサービスは、車で長距離移動するドライバーと、同乗したい希望者をウェブ上でマッチングさせる仕組み。コストシェア型ライドシェアと称され、ガソリン代や高速道路通行料金など実費を割り勘する。従来、高速バスと競合する。会員数は3万2,000人。昨年、内閣官房シェアリングエコノミー検討会議(主査=安念潤司・中央大学大学院法務研究科教授)からヒアリングを受けた。 今後の展開について、のってこは19日、本紙に「天塩町を皮切りに、交通の不便を抱えている地域で自治体との提携を進めたい」と話した。」 ■ 今後の取り組み等の討議: (1)「―訪問型サービスDは使えるか― 移動・外出を/多様な生活支援サービスで推進するセミナーin大阪」 ■日時:2017年1月20日(金)13:30~16:30 ■会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第2ビル5階「第1研修室」) ■主催:NPO法人全国移動サービスネットワーク ■共催:関西STS連絡会 ■後援:大阪府 ■記念セミナー次第 【事例紹介】 ・亀山 芳香/米原市健康福祉部くらし支援課 ・西秋 清志/大野木長寿まちづくり会社 社長 ・畠山 和弘/黒滝村保健福祉課 課長補佐 ・山□ 好仁/黒滝村社会福祉協議会 事務局長 【訪問型サービスDに係る市町村意向調査報告】 ・石川 陽一/福祉デザイン研究所 所員 【全体討論:移動・外出支援のサービス創出の課題と対策】 ・コーディネーター:島津 淳/桜美林大学 教授 ・アドバイザー:中沢 豊/松戸市介護制度改革課 課長 遠藤準司/NPO法人 全国移動サービスネットワーク 理事 (2)「《いくのまちなか被災シミュレーション》 災害発生~何が危ない!? おとなもこどもも地域を見直そう」 ■日時:2017年1月28日(土)13:00~16:00 ■会場:コリアボランティア協会 ■主催:関西STS連絡会 (3)「岡山県福祉移動ネットワーク講座: 1部:災害時の移動支援(講師:福田悠介)」 ■日時:2017年2月12日(日) ■会場:岡山県運転免許センター (4)「NPOの災害支援活動を考えるフォーラム」 ■日時:2017年2月15日(土)13:30~17:15 ■会場:みえ県民交流センター ■主催:三重県 ■パネルディスカッション: ・渥美公秀さん(大阪大学大学院人間科学研究科教授) ・柿久保浩次さん(NPO日常生活支援ネット・理事長) ・筒井美幸さん((公財)三重県国際交流財団・企画総務課長) ・中森忠司さん(伊勢市災害ボランティアセンター長) (5)1月度~の「運転者認定講習会」の開催 ◎ 1月23、24日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎ 2月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎ 3月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ■次回運営委員会:2017年3月4日(土)pm6:00~8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所 |