第150回運営委員会 ■6月3日に「関西STS連絡会」第150回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時まで開催されました。 ■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:5団体)
■ 資料関係: ①「第4回高齢者の移動手段の確保に関する検討会(国交省2017.6.19)報告」 (報告:NPO法人 全国移動ネット・副理事長 河崎民子)
「 “中間とりまとめ案”については、第4回検討会で出た意見を踏まえて、確定版を委員に送ってから公開という手順になる。国交省が公開している第3回検討会での資料「中間とりまとめ(素案)」【※参考】では、「4.互助による輸送」(登録不要の事務連絡の見直し)については、以下((1)ルールの明確化、(2)実施にあたっての条件整備、(3)互助による輸送の導入の円滑化)のように頭出しされていて、いずれも「文案検討中」になっている。 【※参考】「第3回検討会資料「中間とりまとめ(素案)」 「前文:(…略…) 本検討会においては、こうした認識の下、当面、公共交通機関、ボランティア輸送等を通じて、まずは高齢者の移動手段の選択肢を拡げ、そのサービスの提供を拡大することが重要であるという観点から、そのための具体的方策に重点を置いて検討を行った。 …略…地域の公共交通網等の在り方という、より広い観点からの取り組みが進展することが期待される。国土交通省が開催する「地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会」においても、こうした観点からの検討が進められている。 また、高齢者の移動対策としては、ノンステップバスやUDタクシーの普及などのバリアフリー施策についても推進していく必要があり、これについては「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」で検討が進められている。 さらに、高齢運転者の安全対策としては自動車安全技術の開発・普及もあり、これについては「『安全運転サポート車』の普及啓発に関する関係省庁副大臣等会議」等で検討が進められている。 高齢者の移動対策については、こうした各方面の対策を連携して進めていくことが重要である。 2.自家用有償運送の活用 公共交通では対応できない(例えば、民間事業として成立しないため事業者が不在である、あるいは事業性はあるが運転手不足で運行できない等の)地域等では、高齢者の移動手段として、自家用有償運送の活用を推進していく必要がある。 (1)検討プロセスのガイドライン化 ・地域交通ネットワークの担い手を適材適所で円滑に導入するために、交通事業者の活用可能性や交通事業者への委託による自家用有償旅客運送の検討を行う等の検討プロセスの明確化や、当該検討プロセスを一定期間かけて行ったことをもって自家用有償旅客運送の導入に必要な合意が成立したとみなす取り扱いの確立など、自家用有償旅客運送の活用に資する手続の合理化・効率化を図るガイドラインを策定する。〔2017年度中実施〕 (2)市町村が主体となる自家用有償運送の活用の円滑化 ・持ち込み車両の使用はNPOが主体の場合に限定されてきたが、市町村が主体となる場合にも可能とする。〔2017年8月実施〕 ・市町村が主体となる場合には、路線運行しか認められてこなかったが、区域運行も可能とする。〔2017年8月実施〕 (3)地方公共団体等に対する制度の周知徹底 ・自家用有償運送の導入等に係る手続き、上記2.(1)の地域交通の検討プロセスに係るガイドラインや運営協議会の運営方法等について、地方公共団体等向けのハンドブックを作成し、関係者への配布・周知徹底を行う。〔2017年度中にハンドブックの作成、その後速やかに配布・周知を実施〕 第4回資料「中間とりまとめ(案)」での、第3回検討会よりも少し踏み込んだ書き方の箇所について。 「4.互助による輸送 高齢者の移動ニーズに対応するためには、地域における助け合いも、今後重要性が増すものと考えられる。介護・福祉分野においても、こうした活動に一定の役割が期待されている。このため、営利を目的としない「互助」という観点から、許可・登録を要しない輸送について、その考え方の明確化を図る必要がある。 (1)ルールの明確化 道路運送法上の許可・登録を要しない輸送について、ガソリン代等の他に一定の金額を収受することが可能な範囲を明確化し、関係者に周知する。その際、営利を目的としない「互助」による輸送のために専ら利用する車両を自治体からNPOに貸与するなど、運送の対価に当たらない支援を例示する。〔2017年度中検討・結論〕 【河崎さんの分析】 ★注釈:上記のアンダーライン部分(道路運送法上の許可・登録……可能な範囲を明確化)は、内閣府の「規制改革実施計画(2017年5月23日閣議決定)」の「ICT、AI等の技術革新を活かした旅客運送事業等の規制改革」にすでに書かれており、それをコピぺしたものである。 ★経過:これに対して、タクシー関係者はライドシェアを容認する第1歩になると激しく反発。 →これによって、「今年度中」ということで先送りされた。 ★全国移動ネットの反論:この検討会は、高齢者の移動や外出が切羽詰まった事態になっていることを踏まえ、総政局はじめ自動車局旅客課、厚労省振興課も参加して、移動手段の確保や選択肢を増やすため、一定の結論を出すものと期待していたが、出てきたものは結局、これまで通りの事業者本位の内容で、大事な部分が先送りされていて残念である。 「中間とりまとめ案」には、「自治体が、創意工夫しながら主体的な役割を果たす必要」があり、「地方運輸局が、企画立案段階から支援する取組みを進めている」とあるが、実態としては、支局から登録不要のガソリン代実費は給油の差額と指導されて、乗せた距離より遠いガソリンスタンドに行かねばならないという状況が起きている。 いま市町村は、第7期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定中であり、せっかく介護保険制度に「訪問D」が創設されたにもかかわらず、道路運送法との関係で市町村は委縮している。来年4月からの事業計画なので、今年度中では市町村が考える余裕がない。先送りによる弊害は免れないと思うが、早められないか。 ★国交省の答弁:鶴田旅客課長から反論(全国移動ネットも、ここまでできたことを評価すべき)。藤田総政局長から旅客課長と交通計画課長に「時期を先送りにしているのは、どこの都合によるものか」「早めることはできないか」との投げかけがあり、鎌田座長は「今すぐには難しいと思うが、なるべくきっちり書いてほしい」と要請された。秋ごろまでが目途になりそう。 (2)実施にあたっての条件整備 事故発生時の責任の所在、保険の加入状況等の明示に関する考え方を明確化するとともに、新たな保険商品の開発を働きかける。〔2017年度中検討・結論〕 (3)「互助」による輸送の導入に関する情報提供 上記(1)(2)を踏まえ、地域の関係者が取り組みやすいよう許可・登録を要しない輸送のモデルについて、パンフレット等で広く情報を提供する。〔2017年度中実施〕 5.福祉行政との連携 介護保険制度等によって行われる輸送サービスについて、高齢者の移動手段として活用できるよう、環境整備を図るとともに、交通事業者、介護事業者等の相互の理解を促進する必要がある。 (1)地域における分野横断的連携 介護保険制度の地域支援事業(生活支援体制整備事業)に基づき地域に設置される「協議体」と、交通関係の地域の協議会(地域公共交通会議、運営協議会、地域公共交通活性化再生法に基づく協議会)との間の、具体的な連携の方策(相互参加等)を提示することにより、相互の理解の促進と一体的な対策の検討を実現する。〔速やかに周知〕 総合行政の担い手である地方公共団体の内部においても、福祉部局と交通部局の連携(政策立案、情報共有、意識改革等)が図られるよう、周知を徹底する。〔速やかに周知〕 (2)介護サービスと輸送サービスの連携 介護保険制度の地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)に基づいて地域で実施される移動支援(移送前後の生活支援:訪問型サービスD)が、事業の対象である要支援者等以外の高齢者等に対しても行われる場合の事業の位置づけや助成の対象範囲を明確化するとともに、取組事例の収集・提供を行うことにより、同サービスの普及・拡大を目指す。〔2017年度中実施〕 【河崎さんの分析】 ★注釈:いわゆる「混乗」は、現在も可能です。より明確にすると、振興課の説明。 交通事業者等が介護サービスを実施しようとする場合、又は介護事業者等が輸送サービスを実施しようとする場合のため、それぞれに必要な要件・手続事項等の明確化を図るべく、双方の事業制度及び関係性について整理の上、情報を提供する。〔2017年度中実施〕」 ②「《加藤教授講演》=名古屋・市民会議でライドシェアシンポ=「地域社会の中核に」タクシーの変革求む」 (2017.6.19 東京交通新聞)
「 交通の安全と労働を考える市民会議は14日、名古屋市の栄ガスホールで「シェアリングエコノミーってなんだ!? ライドシェアから考える」と題したシンポジウムを開催した。タクシー労働者や市民ら約150人が参加した。市民会議は東京では、すでに複数回、大阪でも会合を開き、今後は横浜でも開催が予定されるなど、各地で活発となっている。それぞれ学識者、弁護士らがライドシェアの問題点などを指摘している。14日の名古屋では、加藤博和名古屋大学大学院教授が「持続可能で安心・安全な『おでかけの足』のつくり方」と題して講演した。. シンポジウムの冒頭、東海労働弁護団幹事長の後藤潤一郎弁護士があいさつ。 加藤教授は講演で「業界の論理に閉じこもっていては、地域が不幸。変革が緩慢。タクシーが変われれば、日本がよくなる」と述べ、タクシーが地域社会の中核になるように求めた。 講演の中で加藤教授は、はじめに近鉄菰野駅などのタクシー乗り場の写真を提示。「地元にタクシー会社はあるが、朝は忙しくてタクシーがいない。夕方はタクシーがとまっていて需給ギャップが激しい。住民が移動したいときに応えられていない」と課題を指摘。 別の課題として、「物流業界の人手不足が世の中で大変と受け止められているのに対し、タクシー業界の人手不足は、そのように思われておらず、世の中に実情がうまく伝わっていない」と、世論への訴え方の違いを指摘した。 加藤教授は「ライドシェアを怖れる必要はない」としながらも、「タクシーやバスの今までが、ふがいないからライドシェアが注目される」と、創意工夫や地域との連携が十分でなかった点を強調。ライドシェアを推進する側からみて「ニーズがあるのに進化していない業界は、おいしく見える」と述べた。安全・安心についても「事故を起こしたくないのは白ナンバーも同じ、基本のところ。それにプラスして何ができるかが公共交通の役割」と求めた。 モータリゼーションの進展で、「この50年で交通事業の付加価値が大暴落した」とする一方、今後については「おでかけを提供する企業が、地域を支える大事な仕事として認識され、待遇も昔に戻っていかないといけない」と提唱。「片手間でできるようなものではない」と、ライドシェアのビジネスモデルと公共交通は根本的に異なるとの認識を示した。 タクシー、バス事業の技術革新について、「IT予約や、あいのりマッテングは必須」とし、タクシー、バス、鉄道、航空、レンタカーなど、出発地から目的地まで全体の移動手段の予約が一つでできるアプリ開発が必要になると、将来像も示した。 講演のあと市民会議事務局の川上資人弁護士がライドシェアの課題や問題点を提起し、シンポジウムは終了した。」 ■ 今後の取り組み等の討議: (1) 『大阪府河北ブロック運営協議会の登録更新時での協議内容の公開と是正を求める要望書』 (2017年5月26日 関西STS連絡会)の回答をめぐって
■ 国土交通省近畿運輸局・大阪運輸支局の対応【2017年6月16日】 ■大阪府河北ブロック福祉有償運送運営協議会・会長 吉川耕司【2017年6月20日】 (2)『《近畿大学“環境まちづくりプロジェクト”ミーティング》みんなで支える地域の福祉』 (2017年7月15日 於:ブロッサムカフェホール(近畿大学))
問題提起:「買い物に、病院に、行きたいところに行ける移動サービスがあれば! 」(柿久保浩次氏)(3)7月度~の「運転者認定講習会」の開催 ◎ 7月 4日/能勢社協「空白地運転者講習会」(於:能勢市) ◎ 7月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎ 8月21、22日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎ 9月11、12日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎10月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ◎11月13、14日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市) ■次回運営委員会:2017年7月1日(土)pm6:00~8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所 |