161回運営委員会
7月7日に「関西STS連絡会」第161回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時まで開催されました。
■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:9団体)
NPO法人「日常生活支援ネットワーク」(大阪市) 伊良原淳也(関西STS連絡会)
NPO法人「自立生活センターやお」(八尾市) NPO法人「自立生活センターFREE」(吹田市)
NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会」(寝屋川市) NPO法人いばらき自立生活センター ぽぽんがぽん(茨木市)
いが移動送迎連絡会(三重県伊賀市) ・なにわ子ども育成会(大阪市)
・い~そらネットワーク(大阪市)


【議 案】

■ 資料関係:

①「《全個脇近畿・濱本支部長に聞く》定年制は憲法違反」(2018.7.9 東京交通新聞)

「国が定めた個人タクシーの「定年制」は憲法違反――。6月29日の全国個人タクシー協会近畿支部代議員会で新支部長に選任された濱本民夫氏(全大阪)は、そう訴える。国が導入した定年制は法人乗務員には無く、憲法が保障する平等の原則に違反すると、問題提起する。濱本新支部長をインタビューした。
――国が定めた「定年制」は憲法違反?
 「日本国憲法では、なんぴとたりとも差別されてはいけないとうたっている。それなのに国は個人タクシーにだけ定年制を導入した。安全輸送が理由なら法人乗務員にも導入すべき。なぜこうした議論が個人タクシー業界の中で起きないのか不思議」。
――健康は個体差が激しいとも主張されている。
 「70歳過ぎてもトライアスロンに出場する人もいれば、筋トレに励んでいる人もいる。年齢だけで一律に仕事をやめなさいと国が言うのはいかがなものか。定年制が見直されて元気な人は80歳までハンドルを握れるようになれば、現存より譲渡譲受も増えると思う」。

「協調」を大切に
――今後、組織をどうかじ取りしていくか。
 「私の出身母体は50人足らずの小さな組織だが『協調』を伝統としている。大きな組織の長になっても、それを大切にしていきたい」。
 「私が全大阪の理事長に推薦されたのも組合員がバランス感覚を求めたからだと思っている。独裁的に物事が決められることに、みんなが危機感を抱いていた。私は自分を引き継ぎ役だと思っているので、若くて有能な人材がいればバトンタッチしたいが、いくら優秀でも独善的な人には譲れない。そのことだけは、はっきりしている」。
――マスターズ制度について。
 「利用者とのトラブルもなく、真面目に仕事をしている人がスピード遵反や駐禁で星を取られる一方、交通違反はないがマナーの悪い人がみつ星を付けている現状がある。これは利用者から見て、分かりづらいと思う。みつ星認定はサービス面(利用者からの評価)だけで良いのではないか。しかし本来、優良運転者であるはずの個人タクシーにこうした制度があること自体が恥ずかしいことなのだが」。


②「大阪府河北ブロック福祉有償運送運営協議会における“協議の基準”」
(大阪府河北ブロック福祉有償運送運営協議会:2017年12月15日改正)
「6.運転者等
 75歳以下の者で自動車事故対策機構等が実地する適性診断を受診し、運転に関し特に支障がないと認められる者であり、かつ、以下に掲げるいずれかの要件を備える者であることを要する。
・第二種運転免許を有しており、その効力が停止されていない者
・第一種免許を有しており、その効力が2年以内において停止されていない者であって、国土交通大臣が認定する講習を修了している者
 また、セダン車を使用する場合には、上記に加え、運転者又は同乗者のいずれかが、次に掲げる要件を備えた者であることを要する。
・介護福祉士の登録を受けていること
・国土交通大臣が認定する講習を修了していること
 上記の者のうち、協議会で必要と認める場合は条件を付すこととする。
・運転手の追加については、協議会において協議が必要であるが、協議会委員への意見照会により協議を整えることも可能とする。
 なお、協議会委員への意見照会について、年度切り替え後であり次年度協議会委員委嘱状交付前の申請案件については従前の協議会委員への意見照会による。」


③「《こちら報道部》進む高齢化 高まる需要/「移動支援」なお残る壁」(2018.5.28 東京新聞)

「 1人で公共交通機関を利用できない高齢者、障がい者らを市民グループが有償で送迎する移動支援サービス。かつては「白夕ク」扱いされ、処罰の対象にされた。2006年の道路運送法改正でサービスとして合法化されたが、いまだに交通優先の法の趣旨と、福祉というサービスの本質はかみ合っていない。高齢化が進み、ニ-ズの高まりが確実な移動支援の法的な枠組みを考え直す必要がある。
 神奈川県葉山町にある4階建てのマンション。移動支援サービスのNPO法人「くるまやさん」(同県逗子市、小矢洋子代表)の車から、このマンションに住む男性(58)が降り、車いすに乗り換えた。約1.5㌔離れた医療施設からの帰りだった。
 男性は10年ほど前に糖尿病がもとで腎不全となり、右足首を切断。最近は車いすを多用している。透析のため週3回、病院へ通わなければならないが、「基本的には妻に送ってもらうが、妻が仕事に行く時は難しい」(男性)。周辺の道は狭く歩道がない場所もあり、1人で車いすで通うのは、とても無理だ。そこで「くるまやさん」に送迎を頼んでいる。「費用は月1万5000円ほど。タクシーよりも安い」。
 「くるまやさん」は葉山町、隣の逗子市を拠点に活動している。2002年10月、地元の生協などが中心となって発足した。対象は要支援、要介護を受けている人や療育手帳を持っている人らで、会員登録し、利用日の前日までに申し込む。
 送迎先で多いのは、やはり通院だ。逗子、葉山は大きな病院がなく、隣接する横浜市や横須賀市まで足を運ばなければならない。同法人の小矢代表は「家の玄関先の小さな段差を降りられない高齢者や障害者にとって、公共交通機関で通うのは大変」と話す。特に逗子や葉山は起伏の多い地形で、路線バスもあるにはあるが、バス停までの道も難儀だという。
 サービスの希望者は、年々増えている。発足時の会員登録者は約20人だったが、現在は累計で約450人だ。年間の送迎件数は5000~6000件という。
【デスクメモ】団塊の世代が75歳を超え、後期高齢者が人口の2割を占める2025年まで、もう10年もない。経済、医療など問題は山積みだが、暮らしのアシは命に直結する。行政の無策を看過できずに心ある人びとが立ち上がった。せめて彼らの足を引っ張らぬこと。それが最低限の行政の務めだ。(牧:2018.5.28

福祉妨げる事業者優先/要支援者を対象外にした例も
 「くるまやさん」のような移動支援サービスは「福祉有償運送」と呼ばれる。2006年の道路運送法改正により、バスなど公共交通機関が撤退した地域の住民が対象の「公共交通空白地有償運送」とともに制度化された。しかし、それ以前は違法行為の「白タク」として扱われていた。
 NPO法人「全国移動サービスネットワーク」の河崎民子・副理事長【写真】は1998年、神奈川県大和市で移動支援NPO法人「ケアびーくる」の設立に携わった。
 無償での送迎なら法的な問題は生じないが、保険費用やガソリン代など運営面で立ちゆかない。2002年の構造改革特区で、東京都世田谷区など複数の自治体が移動支援を「合法化」。こうした流れが、2006年の法改正につながった。
 その後、移動支援サービスを担う民間団体は着実に増えている。国土交通省旅客課によると、その数は2017年3月末時点で、2571団体。制度開始時の2176団体から大幅に増えた。
 ただ、それでも十分ではない。経済産業省は2015年4月、日常的な買い物が困難な「買い物弱者」が全国に700万人いると推計している。その結果、依然として自分で車を運転する高齢者は多い。警察庁が75歳以上を対象に実施した調査(15年度)では「車がないと生活が不便」として免許の自主返納をためらう人が、68.5%に達した。

実状に合わせ、法制度を見直す必要
 河崎氏は「高齢化の進展、地方の公共交通の衰退、免許返納の必要性などを考えると、今後も移動支援サービスのニーズは増える」とみる。だが、現行の制度は問題点が少なくないと指摘する。
 例えば、移動支援サービスを始めようとした場合、バス会社や役所が加わる地域の運営協議会にはかる必要がある。ここで、サービスが狭められる例があるという。「ある町では要介護者に加え要支援者もサービスの対象だが、別の町では『タクシーに乗れるはず』として要支援者が除外された。NPO法人が過疎地の支援をしようと考えたが、範囲を削られ過疎地に車を出せなくなった例もある」。
 運営協議会に3年の更新ごとに、多くの書類を提出しなければならない仕組みも、多忙な運営団体に苦労を強いているという。
 さらに問題視するのが、国交省が今年4月に示したガイドラインだ。移動支援を申請した際、地域のタクシーやバス事業者に乗り合いタクシーなどが導入できないか、最長で2ヵ月検討してもらうという内容だ。
 「時間がかかりすぎる。それに事業者側が移動支援サービスを阻止するため、採算を無視して短期的に乗り合いタクシーなどを打ち出しかねない」(河崎氏)
 河崎氏は「これでは移動支援の新たな担い手が意欲を失いかねない」と話し、「交通優先」の現在の法の発想を根本から変える必要があると訴える
 「移動支援は、福祉と交通の連携の上に成り立っている。時代に合わせて、運送法を出て新法があっても良い。『例外扱い』で運用していくのは限界だ」。


今後の取り組み等の討議:

(1)「大阪府北摂ブロック福祉有償運送運営協議会2018.7.10」報告


(2)「九州地区移動サービスネットワーク交流会2018.7.21」報告


(3)「橋本・西山地域の移動手段を考えるセミナー2018.7.29」報告


(4)5月度~の「運転者認定講習会」の開催
 ◎ 7月16、17日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
8月2、3日/米原市「運転者認定講習会」(於:米原市)
 ◎
8月20、21日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)
 ◎
9月17、18日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(於:大阪市)


■次回運営委員会:2018年8月4日(土)pm6:00~8:00
於:NPO法人 日常生活支援ネットワーク事務所