第3回運営委員会(2002/04/06)
第3回運営委員会が、東京から藤原孝公氏をお招きして、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所で開催されました。
出席された団体・グループ様は以下の通りです。――(参加:11団体)
茨木市障害者支援センター「すてっぷ」(茨木市)NPO「アクティブネットワーク」(茨木市)
共働事業所「B-free」(吹田市)移動・福祉・救援「A~GAIN」(京都市)
自立生活センターやお(八尾市)元気村移動サービス(神戸市)
NPO「日常生活支援ネットワーク」(大阪市)自立支援センター・OSAKA(大阪市)
「い~そら(空)ネット」(大阪市)
近畿大学都市交通工学研究室日刊自動車新聞社
【内 容】
◎東京からの特別報告(藤原孝公氏/東京ボランティア市民活動センター)=要約=
1.東京の移送サービスの状況 ~全国情報の交流の場として~
■各地の移送サービス団体とのつきあい
①15年前、タクシーの乗車拒否やバスに乗れない状況の中で、「集い」(移送サービス研究協議会)を開催。
②80条問題(白タク問題)の情報公開・交換をスタートさせる。
※2002年14回移送サービス研究協議会…それぞれの団体が主体でがんばり続けていく思い、情報交換を続けていくことを確認。
2.東京での移送サービス運転協力者実技研修の取り組み
■東京で140団体にアンケート
◎54団体から回答…30団体が独自に研修会を実施。
独自のテキスト…運転実技車いす体験会の成り立ちなど
→1999年移送サービス研究協議会の場で「最低限の研修を共通化できないだろうか」の議論。
■80条問題対応での、原則は会員制活動は非営利、安全面での配慮
◎安全の研究…介助面(保健所)、ボランティア活動面(社協、ボランティアセンター)で仮実施。
→「モデル研修体系試案プロジェクト」で試案作りを開始。
※運転技術以外にも、ドライバーと利用者の関係への配慮が必要…「声かけ」など。
※移送サービス研修には、運転者、事務局(コーディネーター)、団体責任者、それに利用者の参加も重要。
3.《補足》80条問題をめぐる動き ~白ナンバーによる移送サービス活動~
■国土交通省…交通バリアフリー問題、ユニバーサルデザイン、高齢者社会の到来などにより、車いすでの外出確保問題では理解をし始めている
※STSに関する調査・研究の開始…予算は確保。
※自治体主軸なら良しとしている…問題点は、自治体の考え方で左右される、小さな団体グループにまで降りてこないこと。
→今後、資格的な位置づけが移送サービス団体にも課題として浮上してくるであろう。
■タクシー業者…対応できることとできないこと、料金面の問題(リフト付き福祉タクシー:1時間5,400円)などで、ボランティア側の良さは理解している(ただ、タクシー需要過多の中で、法改正には根強い抵抗感がある)
※シルバーサービス振興会、全国福祉輸送サービス協会などで、2種免許+ケア輸送士(簡単なヘルパー研修)を今後の介護タクシーとして、研修を開始。
→市民活動のSTSとタクシー業界のSTSの個別の特徴を生かした、共存の方向性を探る必要。
■社会福祉協議会…金沢市などでボランティア運転者の研修(国土交通省のお墨付き)を始めている
※基本的には社協は縮小、民間NPOに移行の方向。
■法の役割…福祉車両に対する補助を、さらに充実させる必要がある
4.まとめ
■人間的な関わりを重視していくことの重要性
①地域で暮らすこと、街で暮らし続けるテーマの重視が必要。
②位置づけや法的措置、民間移送サービスの育成が求められている。
《添付参考資料》東京での「移送サービス運転協力者実技研修内容」
第1部 講義
○移送サービスの社会的な役割 |
○利用者の心理とコミュニケーションのあリ方 |
○安全な運転の意義と重要性について |
○高齢や障害に関する基礎知識 |
○緊急時の判断と対応方法 |
○保険や賠償に関する基礎知識 |
○プライバシーについて |
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第2部 実技
Ⅰ.車両および各種装置の取扱と車いす体験
○車両管理について(始業・終業点検の基礎) |
○車いすの基礎知識 |
○乗降装置の操作について |
○車いす乗降時の介助の基本 |
○車いす固定装置の操作について |
○車いすによる車両乗車体験 |
Ⅱ.運転実技~運転が利用者に与える影響を体感するとともに、参加者同士で、お互いの運転技術を評価しあう中で、移送サービスに必要とされる運転技能について学びます
○指定速度による走行 |
○曲線コース(S字)の通過 |
○周回カーブ |
○屈折コース(クランク)の通過 |
○指定場所による一時停止 |
○坂道コースの通過と一時停止 |
○右折・左折 |
○方向転換と縦列駐車 |
○信号通過 |
○鋭角コースの通過 |
○横断歩道の通過 |
○障害物設置場所の通過 |
○踏切の通過 |
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第3部 研修のふりかえりと評価
■実技終了後、各グループで振り返りながら、課題点や実技研修のあり方について意見交換を行います。
※関西STS連絡会からは、今後も東京からの「情報ファイル」の発信依頼と、これからも交流を深めていくことを確認して、この日の《東京からの特別報告会》を終わりました。東京の藤原さん、ありがとうございました。
◎確認事項
1.まずは一度、グループリーダーを中心に研修会を実施する。
2.次回運営委員会から、2グループ程度の順番で参加各団体の取り組み報告をおこなってもらうこと。
◎報告と紹介
1.大阪市…高齢者の社会参加補助事業の件。
2.日本財団からの補助金の件…年1回研究会の開催、リーダー研修の開催。
3.近畿大学・都市交通工学研究室より…本年度は介護タクシー事業者と利用者のアンケート調査を実施する(NPOと介護タクシーとのかね合いを探る)。
4.紹介:日刊自動車新聞社(長谷部万人記者)…福祉車両についての取材活動。
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