第79回運営委員会
10月3日に「関西STS連絡会」第79回運営委員会が、事務局の「NPO日常生活支援ネットワーク」事務所にて6時から8時半まで開催されました。

■出席された団体・グループ様は以下の通りです。……(参加:10団体)
_自立支援センターOSAKA(大阪市) ・NPO法人 障害者生活支援センター「ステップ21」(茨木市)
・NPO法人フクシライフ(泉佐野市) _NPO法人「自立生活センターやお」(八尾市)
_NPO法人「自立生活センターFREE」(吹田市) _NPO法人「寝屋川市民たすけあいの会地域ケアセンター」(寝屋川市)
_つばさ介護サービス(大阪市) _い〜そらネットワーク(大阪市)
/_大阪大学・交通システム学領域(猪井) _潟Xテアー(摂津市)


【議 案】

■ 資料関係:

@『移動困難者でビジョン案/市川市福祉運営協』(東京交通新聞2009.9.7)
「市川市は2日、市川市役所で2009年度第2回福祉有償運送運営協議会を開いた。「移動困難者に関わる諸問題の解決へ向けての方針」について議論し、長期的な目標として共同配車センター設立を含めたビジョン案を提起した。今後も継続して検討する。
 ビジョン案では、短期的な対応として、@サービスの担い手の整備、Aサービスを仲介する者への周知と情報伝達、B利用者や家族に対する移動サービスの周知、長期的な対応として、@共同配車センターの整備、Aユニバーサルデザイン車両の開発、B公共交通システムの再構築――を骨子に立てた。
 共同配車センター設置について武藤厚委員(千タ協ケア輸送委員長)は「利用者の窓口が一つで済む。最終目標に置き検討してほしい。タク会社はインフラが整っているが、公的機関が担う形で当面、相談業務などからスタートするのが望ましい」と意見。中根裕委員(NPO全国移動ネット理事長)は「設立して継続させることが重要。運営を社会福祉協議会が担うことも可能では」と指摘した。
 実際にセンター運営する世田谷区福祉移動支援センターの鬼塚正徳氏(世田谷区ハンディキャブを走らせる会)がオブザーバー参加し「移動困難者にセンターは間違いなく必要だが、世田谷では80万都市にしては利用が意外に少ない。料金が原因か利用者が選り好みしているのか、利用実態の把握が課題」と述べた。
 市から有償運送運転者育成のための運転者講習受講補助制度の検討報告があり、タク側委員は「ケア輸送士やヘルパー資格を持つタクシーにも対象を広げてほしい」と要望した。」

A『自家用有償旅客運送の地方移管・交通過疎地対応等の制度に対する検討合宿・報告』(全国移動ネット・メールニュースNo.24より)
「9月27日に関係法制度の検討合宿を開催。自家用有償旅客運送が十分な役割を果たせない現状に対し、制度の見直しを求めるために、要改定項目を具体的に検討。主な協議項目は以下の通り。

▼嶋田准教授講演「福祉有償運送に関する権限の分権化をどう受け止めるべきか?」要旨
 分権化は必要! 権限がないがゆえに無責任体制になっている。しかし、今の制度設計のままで国の権限を地方にするだけでは、無責任な運用実態が現状肯定されるにとどまる危険性が高い。権限移譲に際しては、「道路運送法」と「施行規則」が必ず改正されるので、あわせて根本的な制度の見直しを要請していくべきではないか。また、基本的な考え方の転換を求め、政治への働きかけも行うべき。
《移管前に行う事柄》
1.通達・事務連絡の廃止   2.不服申立制度の創設 
3.登録権限の移譲先の特定  4.運営協議会によるローカルルールの上乗せ撤廃
5.運営協議会の協議内容の明確化(多事考慮の廃止)
《移譲前に国に対して求めつつ、権限委譲後に対都道府県や議会に向けて行う事柄》
1.対価の改定   2.対象者の拡大   3.無償の範囲の拡大

▼地方移管に伴う制度改変の要請項目:意見交換の結果
 以下をまとめて、国土交通大臣宛の要請書を作成する。
1.運営協議会の合意を登録要件から外す     2.タクシー運賃1/2に関連する規程を改定する 
3.第三者機関による不服申し立て制度をつくる  4.登録不要団体の拡大
5.地域交通の構築の責任の所在や考え方の原則を明記
6.福祉有償運送の利用者の範囲の拡大(必要な人に必要なサービスを)
7.過疎地有償運送の推進と条件・名称変更

▼交通過疎地対応について制度的な問題:意見交換の結果
《課題認識》

・自家用車がないと外出できない地域がどんどん増える。移動の問題は、これまでの移動制約者にとどまらない深刻な状況。それを一番実感する立場にいるのが移動サービス団体ではないか。福祉有償運送団体から見た、交通空白地域の移動も考える必要がある。
・過疎地有償運送は情報が少なく、社協やNPO法人の実施状況も広がっていないのが現状。問題の共有もできていない。もっと広げていく必要がある。
・本来的には、自治体がすべての地域住民の移動を保障していくべき。地域公共交通会議や地域公共交通活性化協議会などで、福祉有償運送も含めて全体をデザインしていく枠組みが必要である。
《過疎地有償運送の現状と課題》
1.運営協議会の設置が難しい。
2.自治体が赤字補填している事業者があると、過疎地有償運送は排除される。
3.タクシー事業者は、お金が安いから利用されることを許さない。
4.自治体がイニシアティブをとり、トータルに整備し、利便性の向上させるべき!
5.うまくいっているかどうかの評価基準がはっきりしない。
6.生活インフラ・移動送迎・福祉が直結している地域では、福祉と過疎地を分けても担い手がいない。」

B『《国交省》「会見禁止」で講演断る/津のシンポ「過剰反応」民主困惑』(中国新聞2009.10.1)
「鳩山内閣が打ち出した官僚による記者会見禁止の方針を受け、国土交通省が、津市の特定非営利活動法人(NPO法人)などが企画した「福祉有償運送制度」のシンポジウムの講演予定を突然、断っていたことが分かった。同省は主催者側から「国の意見を聴く貴重な機会だから」と再び要請を受け、依頼を受ける方向で再検討しているが、民主党本部の報道担当者は「会見禁止の方針で、官僚の講演がキャンセルされたのは初めて聞いた。最終的には各省の判断に任せているが、講演を禁じるほど厳しいわけではない」と話している。
 シンポジウムはNPO法人「市民福祉ネットワークみえ」(津市)などが11日、津市で開く。要介護の高齢者や障害者が外出する手段として利用している福祉有償運送制度について意見を交換する。」


■ 報告ならびに今後の課題討議:
(1)2009年度「大阪府各ブロック運営協議会」の動向

◎北摂ブロック運営協議会(9月15日):
 時間を取って「迎車回送料金」の扱いについての協議を予定していたが、当日の運営協議会で更新手続きを予定していたNPOが福祉有償運送からの撤収を決めたことで、運営協議会での協議対象団体がなく、運営協議会の開催が中止になった!!

◎10月26日:泉州ブロック運営協議会

(2)9月度〜の「福祉有償運送(及びセダン等)運転者認定講習会」
 ◎ 9月 7、 8日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎ 9月26日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(広島県尾道市)
 ◎ 9月27日/三朝町社会福祉協議会/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(鳥取県東伯郡)
 ◎10月19、20日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎11月 2、 3日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎12月7、8日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ◎ 1月11、12日/関西STS連絡会「運転者認定講習会」(大阪市)
 ※NPO法人フクシライフ(泉佐野市):毎月「運転者認定講習会」……約20人/毎回


■次回運営委員会:11月7日(土)pm6:00〜8:00
於:NPO日常生活支援ネットワーク事務所