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少し肌寒さを感じるものの、空は晴れわたった第14回東大阪国際交流フェスティバル。今回は、法務省に難民認定を求めて、やっとのことで在留特別許可を受けたアフガニスタン人のホダダットさんが、11年ぶりに家族といっしょに暮らせるようになった喜びと感謝を、ステージから市民のみなさんにアピールしました。
これまで、あごの骨の病に冒された次女のラティファさんへの支援を行ってきましたが、ご両親や四人の兄弟たちと一緒に舞台に立った彼女の笑顔には、一家で暮らせる幸せがあふれています。マスコミも、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、毎日TVで取り上げられ、ホダダットさん家族の支援が国際フェスティバル(地域のネットワーク)の取り組みの中で進められていることが、広く伝えられました。フェスティバル終了後の2月にも、ホダダットさん家族がアフガニスタン料理を市民に紹介する「楽しいアジア・世界の料理教室」が取り組まれ、そのなかでみんなで作ったアフガニスタンの家庭料理「コフタ(ミートボール)」や「サブズィ(ほうれん草とニラのスパイス炒め)」などの美味しさが、ホダダットさん一家と東大阪市民の結びつきをより深めたと実感できました。 特に今回のフェスティバルで私の印象に残ったのは、三つの舞台です。 一つ目は今回が初めての胡紅侶(KORORO)中国舞踏学院による中国舞踏「天女と花」です。鮮やかな緑と紅がまぶしい衣装と、バレーのような動きに魅せられた方も多かったと思います。 そして二つ目に印象深かったのは、成美高校中国文化春暁倶楽部による「獅子舞・龍踊り」でした。獅子と龍との演舞にカンフーの要素も入り、元気な声が聞こえてくるようで、若者の溌溂とした気が溢れ出ていました。 そして更に盛り上がったのが、最後のトリとして企画された「アリランメドレー・オケチュム」です。多くの参加者がいっしょに歌い、踊り、一体感溢れるフィナーレを迎えました。三ノ瀬公園全体が歌の中で、踊りの中で感じあえたのかなぁと思うと同時に、もっともっと本当に全員が加わればとの夢が広がります。 このほかフェスティバルとも並行して、大阪朝鮮高校の運動場明け渡し裁判の解決。そして同校ラグビー部の全国大会での活躍が、大きなテーマとしてありました。まず、朝高運動場問題はフェスティバル終了後に裁判所での和解が成立し、民族教育を守ろうという地域からの取り組みが司法の良識ある判断を引き出したのです。さらにこの運動場から花園ラグビー場での全国大会出場をめざす朝高ラグビー部は、12月の大阪大会決勝で昨年の全国覇者である常翔啓光学園を破り、大阪第3地区代表として花園の芝を踏みしめました。その後、新潟工業、国学院久我山高校、流経大柏高校といった優勝候補も含む強敵を破り、民族学校のスポーツで初のベスト4進出を果たしました。おしくも準決勝では神奈川の桐蔭学園高校に破れましたが、守備力を前面に押し出した戦いで「不屈のFW(フォワード)! 素早いサポート!」に東大阪市民だけでなく、全国に朝高ありの強烈な印象を与えました。 このような若者たちといっしょにある幸せを感じながら、14回を迎えた国際交流フェスティバルの報告とします。 |