『 同 友 会 だ よ り 』
(
vol.6 2013.5.10)


 さわやかな初夏の季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか? 獄中の5月はまだうす寒く、冬用の肌着をなかなか手放せなかったものです。
 朝鮮半島の軍事緊張がようやく鎮静に向かうなか、朴槿恵大統領が訪米しオバマ氏との首脳会談が開催されました。会談後の記者会見や共同声明文を読むと、北朝鮮への制裁強化がメインで、対話に向けた平和のメッセージが見当たらなかったのは遺憾ですね。

「裁判の経過報告」
 
 その間、ソウルでは仲間たちの再審裁判で貴重な成果がありました。以下、順を追って報告します。

・3.14、許哲中(ホ・チョルチュン)氏、最高裁が検察の上告を棄却、無罪判決が確定。
・4.11、高秉澤(コ・ビョンテク)氏、最高裁が検察の上告を棄却、無罪判決が確定。
・5.3、金鐘太(キム・ジョンテ)氏、ソウル高裁が検察の控訴を棄却、無罪判決。
・5.8、朴栄植(パク・ヨンシク)氏、ソウル地裁で第一回目の公判が開かれる。(次回公判は6.11の予定。)
・5.9、柳成三(ユ・ソンサム)氏と金整司(キム・ジョンサ)氏、最高裁が検察の上告を棄却、無罪判決が確定。

 李宗樹(イ・ジョンス)氏に始まり無罪判決確定を勝ち取った仲間が、これで13人となりました。皆様の長年にわたるご支援のおかげです。あらためて御礼を申し上げます。金鐘太氏への上告如何はまだ不明です。最高裁に係留中なのは現在、金鐵佑(キム・チョルウ)博士と康宗憲(カン・ジョンホン)氏の二人です。そして、李東石(イ・ドンソク)氏、姜鍾健(カン・ジョンゴン)氏、李哲(イ・チョル)氏ら三人が、再審の開始決定を受け公判期日の通知を待っている状態です。

「韓国内のニュース」

 前号でお知らせしたチュ・ジェヨプ、ソウル陽川区庁長(57)に対する最高裁の判決が下りました。4月26日、最高裁は彼の上告を却下し有罪判決を確定しました。国軍保安司令部に勤務して拷問捜査によるスパイ事件の捏造に加担した人間に対し、懲役1年3カ月の実刑は寛大すぎますが、主な起訴内容が公職選挙法違反だったからでしょう。

 4月8日、人民革命党事件の遺家族が中心となって結成された「4.9統一平和財団」主催の追悼祭が、ソウル市貞洞のカトリック聖堂で開催されました。同じ国家暴力の被害者である私たちも招請され、康宗憲氏と姜鍾健氏が参加しています。元ハンギョレ新聞編集長・金孝淳氏の司会による第二部は、氏と弁護人団の団長イ・ソクテ弁護士との対談でした。在日韓国人良心囚の事件と再審状況について、国内の同胞に理解と共感を広げるよい機会になったと思います。

「行事の案内」

 同封のチラシにありますように、全斗煥政権下の残忍な拷問捜査を告発した『南営洞 1985』の上映会が、7月6日(大阪)と7月7日(東京)に開催されます。皆様の積極的な参加とご協力をお願いする次第です。一人でも多くの方々がこの上映会に参加されて、拷問捜査の実態と事件のでっち上げがどのようにして造られるのか、理解していただければと思います。

 まだまだ、私たちの歩む道のりは長く険しいですが、皆様とともに前進して行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。

在日韓国良心囚同友会・一同