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20年間も、このフェスティバルは続いてきました。それは、この東大阪市に住む17,000人近い外国人の人たちの支持の声でもあります。 「日本人とのコミュニケーションは難しいけれど、フェスティバルを通してどのように暮らすかを情報交換していると、だんだんわかりあってきます(ベトナム人のお母さん)」。「子どもは(民族の)言葉や歌の勉強をしているが、日本で生まれているので本当に伝わっているのか気がかり。フェスティバルでは、いろんなことを学べる。ちょっとでも伝われば……(韓国から来たオモニ)」。 そして野田東大阪市長も、「東大阪市に住んで、学んで、働いている多くの外国の人たち。東大阪が大好きという人たちと仲良くし、皆でフェスティバルを守り育てていきたい」と、メッセージを返します。 記念すべき第20回のフェスティバルは、次世代を担う青年たちによる「青年プロジェクト」が、その中心となりました。韓国・朝鮮、中国の若者たちが何ヵ月にもわたってプランを練り、舞台や出店、そしてパレードのコアを担いました。 布施オリニバン、青年チャンゴサークル、花園高校マッパラム部、東大阪ブロック学生会など、ちっちゃな子どもや中高校生・社会人と幅広い年齢層が参加した農楽隊、朝鮮高級学校生徒による圧倒的なブラスバンド。そして世界の民族衣装によるファッションショー、フィナーレへと続く青年プロジェクトの出し物は、ハルモニやハラボジからの声援も1段と高く響きます。 「20周年ということで青年企画の声をかけられ、いろいろな若者が集まりました。今回、団体や国籍の枠を超えてできたことは、僕たちにとって大きな宝物です。参加してくれた子どもたちも、これから青年となって、僕たちと1緒にフェスティバルをやっていきたいし、この先50周年にもつながるように東大阪で取り組んでいきたい」。力強い青年プロジェクトからのアピールでした。大きな夢(YUME)があなた(YU)から私(ME)へつながった瞬間でした。 青年プロジェクトの夢を受け止めるように、伝統楽器を演奏しながら旗回しをするなどの演舞を、次々と繰り広げる建国中高等校伝統芸術部の『夢舞(ムーブ)』は、「すばらしい。チョァヨー」の声がかかるほど、大勢の観客のため息に包まれます。彼らもまた、韓国で開かれる「世界サムルノリ大会」での総合2位という実績から、更に上位を目指して夢をつかもうとしています。また、成美高校の中国文化春暁(しゅんしょう)倶楽部は、獅子舞を通して中国文化の良さを地域に紹介しながら活動をくり広げていますが、いまはシンガポールで行われる龍の世界大会での活躍という夢を追って、日々頑張っています。 夢はつながり、やがてかなうものとなるに違いありません。(西山) |