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《はじめに》 あっという間に「東大阪国際交流フェスティバル」も10回目を迎えることになりました。 思えば、私たちが地域の民族団体、労働団体などに呼びかけ、1994年から毎年取り組んできた在日外国人市民の人権問題に関する東大阪市への改善要請行動の連絡会のメンバーから、1996年に「アジアを含めたフェスティバルを三ノ瀬公園でいっしょに取り組まないか」という提案がなされたことがきっかけでした。 合田代表を先頭に東大阪市教組も賛同し、行政に話を持ち込み、朝鮮総聯、韓国民団、市教組、東大阪自治労、「市民の会」など、そして多くの外国人市民の輪で、「私のまちはアジアのまち、私のまちは世界のまち」を合言葉に、今年で10年目を迎えるまで定着させてきたと改めて実感するのは私だけではないと思います。 今では、この東大阪国際交流フェスティバルが紡いできた人材で創られたNPO法人・東大阪国際共生ネットワークが呼びかけ、フェスティバル実行委員会も25団体を数え、国際色豊かなステージ(約25グループ)、出店(約40店)が、終日参加された約6000人の市民に下町風情豊かな三ノ瀬公園で、地域での温かい「共生」の輪が広がっていることをかもし出してくれています。 《今年も精一杯の国際色豊かな交流の場を》 一〇年目をむかえる今回の「東大阪国際交流フェスティバル」も、共同代表の@朝鮮総聯、A韓国民団、B中国帰国者協会、Cアジア協会アジア友の会、D国際交流協会、E合田牧師、F荘嘉時(東大阪国際共生ネットワーク理事長)を軸にした実行委員会を構成し、後援には、東大阪市、東大阪市教育委員会、東大阪市自治協議会、東大阪商工会議所、協賛には布施ラインシネマ が協力してくれています。 当日用の「パンフレット」だけではなく、毎年、発行している『写真記録集』も毎号の特集企画として、「東大阪地域トピックス」「確かな出会いで変わるこの街・東大阪」など、毎年の地域の出来事や、紹介記事が好評をはくしてきました。 三ノ瀬公園における東大阪国際交流フェスティバルが、買い物帰りの市民、通りすがりの市民が気軽にのぞける催しとなり、東大阪市に在住する4%(約 ヵ国、二万人)の外国人市民との自然な出会いや、「私のまちはアジアのまち、私のまちは世界のまち」を実感でき、「参加者、一人ひとりがフェスティバルの主人公」をぜひ実現したいものです。 特にこれからの東大阪を背負って立つ若者、子どもたちに、このフェスティバルを通して少しでも夢を持ってもらえれば、まだまだ地域のいろいろな生活の場で温度差が存在する中でも、東大阪国際交流フェスティバルも二〇年、三〇年と引き継がれ、発展していくと確信しているところです。 《フェスティバル10周年企画のご紹介》 「10周年企画」として、@NPO法人・東大阪国際共生ネットワークで、フェスティバル当日に向けてハンドブック『在住外国人むけ暮らしのガイド/指差し多言語対訳集』を作成しています。 ハングル版、中国語版(A5、40ページ、オールカラー)のハンドブックで、「困ったときの連絡先」「病気になったとき」「治療・病院・薬局・救急車」「火災・事故」「買い物」「理髪・美容院」「郵便局」「図書館」「交番」「食事」「働く」「学校・保育所」「市役所」などの指さし対訳集です。乞う、ご期待!! Aこの9年間、国際交流フェスティバルの会場としてお世話になっている「三ノ瀬公園の歴史発掘」資料集です。 1948年に竣工された三ノ瀬公園は、下町風情豊かな庶民の憩いの場として、子どもから大人まで、そして外国人市民にも親しまれてきた公園です。 フェスティバル関係者を中心に学者・文化人、行政にも協力していただいて「三ノ瀬公園を語る会」を発足。2008年の60周年に向けて資料集めと聞き取りを始めています。フェスティバル当日には、「資料集」を発行して、参加者に資料提供や協力を呼びかけます。 B次は、小・中学生対象の「子ども絵画コンテスト〜私のまちはアジアのまち、私のまちは世界のまち〜」です。 フェスティバル当日、三ノ瀬公園に来てビックリしないでください。会場の掲示板全面に、子どもたちの視線で見た「私のまちはアジアのまち、私のまちは世界のまち」の絵画が花を咲き、夢を開けていることでしょう。お見逃しなく!! C続いて「中国方正県華僑村・平和教育基地友好訪問団」です。中国方正県には唯一の中国残留孤児・婦人のお墓があります。また、東大阪市鴻池には方正県出身の中国人がたくさん生活されておられます。 今年の8月には、フェスティバルの「10周年」を記念して、東大阪から28名の友好訪問団が墓参りと、中国との友好・親善を願い、訪問しました。 東大阪国際交流フェスティバルでの出会いならではの、東大阪在住の中国人、残留孤児・婦人の家族、市議会議員、教職員、それに韓国・朝鮮人 名を含む総勢28名の友好訪問団となりました。 フェスティバル当日には、会場のパネルに中国方正県訪問時のスナップが一面に掲示されるのみならず、方正県からの友好訪日代表団5名が参加される予定です。 D続いて、これも8月に催されたのが「フェスティバル10周年記念チャリティ・ゴルフコンペ」です。 東大阪国際交流フェスティバルには、毎回230万円ほどの経費が必要で、今年は「10周年企画」がプラスで「273万円の予算案」が実行委員会で確認されました。すかさず実行委員の一人からチャリティの開催が提案され、唯一、実現したのが、この「チャリティ・ゴルフコンペ」でした。 結局、韓国民団、朝鮮総聯、地域の労働団体など 名が参加して、「チャリティコンペ」を通しての事業収入のみならず、さまざまな交流の花が開いたようです。 E次に、布施駅前の劇場映画館「布施ラインシネマ 」との提携です。実行委員会からは「アジア映画祭」の開催を提案したのですが、本年度はフェスティバル実行委員会が配布する「チラシ2万枚」すべてに「特別割引半券」を刷り込むという協力をいただくことができました。 E最後はステージの工夫です。今年は、「10周年企画」として、朝鮮総聯・韓国民団の「ジョイント・コーラス」がステージのトリをつとめます。すでに選曲や楽譜合わせが進められており、第10回東大阪国際交流フェスティバルのステージの締めくくりとして、おおいに盛り上がることを期待している次第です。 恒例の「お楽しみ抽選会」「子ども広場」「無料国際電話コーナー」「写真コンテスト」も準備が進められており、布施駅前から三ノ瀬公園までの「パレード隊」も工夫がこらされたものを楽しみにしております。 この秋の一日に、三ノ瀬公園でくり広げられる地域の国際交流と国際共生に向けた温かい企画がぎっしり詰まっております。 あなたも参加してみませんか!!
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