2004年(平成16年)度市政運営方針
=前文より=
(
松見正宣・東大阪市長/
東大阪
市議会・第1回定例会本会議
)
本年初頭のマスコミの論調を見ると、老後に対する不安と社会保障のあり方について確たる展望を望む内容や、景気の低迷への実効ある処方を求める内容など、国民が抱いている思いを写した発言が一つの大きな柱としてありました。
他方では、国際課題についてのわが国の対応が問われ、自衛隊イラク派遣をめぐる是非の論議と、日本の安全保障、ひいては憲法問題に触れた論調が際立っていました。
こうした情勢の中にあって、私は50万市民の暮らしと安全を預かる自治体の長として、市民にとって何が必要で、市政執行で何が可能であるかを絶えず問いかけていく原点として、本市における二つの特徴的な事柄をお示ししておきたいと思います。
一つは
、昨年末から年初にかけて開催された
第83回全国高校ラグビー大会
です。関係諸団体をはじめ、ボランティア、地元自治会のみなさんの協力によって素晴らしい成功を収めることができました。
なかでも、地元の大阪朝鮮高級学校が大阪代表の一角として出場し、大きな話題となりました。出場までの長く険しかった道のりが全国の人々の心を動かし、彼らのひたむきなプレーに惜しみない拍手が送られたことは、多民族・多文化の共生社会をめざす
とともに、「ラグビーのまち東大阪」を標模して「まちづくり」を進めてきた本市にとって、まことに
画期的で喜ばしいことです
。
二つ目
は、
「モノづくりのまち東大阪」
に活力を取り戻すことです。優秀な市内中小製造業の中から、多くのオンリーワン企業、ナンバーワン企業が誕生しています。とりわけ「東大阪宇宙開発協同組合」がめざしている試験用人工衛星「まいど二号」の打ち上げ計画は、小泉総理大臣が所信表明で元気な中小企業の代表として紹介。
優秀な職人集団が「モノづくりの技術(わざ)の再生」に奮闘する姿は、全国の人々に夢に向かって行動することの大切さ
を訴えました。
私は昨年の第1回定例会においても「活力にあふれ、快適さに満ちた東大阪市の再生」を、またその第一歩として「改革」を唱えました。
本年はその助走期間を経て、いよいよ本格的な飛躍の年にします。
◆【関連項目】
「市民に開かれた、風通しの良い市政」
◆
分権型社会においては、さまぎまな方策を検討して住民自治の充実を図ることが求められており、重点項目は次の二点とします。
【市民参加の促進】
行政の透明性の向上と市民への説明責任の徹底を図るため、積極的な市政の情報公開を図るとともに、広報広聴機能を充実・強化し、市民から寄せられる市政への貴重な意見を迅速に捉えていきます。
また、市のホームページを充実するとともに、政策に対する意見募集制度の導入を図るなど、一層開かれた市政の実現に努め、市民の市政への参加を促進します。
【市民と行政の協働のまちづくりの推進】
協働のまちづくりについては「東大阪市まちづくりプロジェクト」を立ち上げ、
市民、自治会およびNPOなどの活動と呼応する協働の仕組みを構築
していきます。
そのひとつとして、市民自らがまちづくりの主役となり、水辺やみどりの整備などの身近な事業提案を募り、活動を支援する取組みを進めます。そしてこの活動への支援によって、地域の夢を実現し、達成感を味わっていただけるような、個性ある風土や歴史をいかした協働の灯を、市内のあちこちにともしたいと考えています。
そして、七つのリージョンセンターがまちづくりの拠点となることをめざします。