在日韓国良心囚同友会・結成10周年





在日韓国良心囚同友会結成10周年を迎えて
統一マジ(統一の家) 朴容吉

 1945年、祖国の分断は国民に大きな苦痛をもたらし、祖国の民主化と統一を念願する愛国者たちを監獄に送りました。
 祖国を知るために留学した在日同胞たちも監獄に行き、彼らを見守っていた友人、親戚の人たちは力を合わせて彼らを後か支えました。10年経てば山河も変わると言いますが、友人たちは10年、20年以上の年月をただひとえに良心囚を支援するために力を尽くしてきました。
 玄界灘を渡る遙かな道のりをいとわず面会に行き、数十万名もの署名を集めて釈放運動にたずさわりました。その涙ぐましい努力が実を結び、90年代に入って在日良心囚の全員釈放を勝ちとるという奇跡を生みました。
 その過程で良心囚たちは在日韓国良心囚同友会を結成し、友人たちと共に様々な活動を重ねてきました。そして、結成10年。皆さん、本当にご苦労さまでした。そして、おめでとう。
 良心囚同友会の友人たちの尽きることない底力でもって日本での良心囚書画展のような成果を、そして朝鮮半島と日本が良き隣人として手を取り合っていくことに大きく貢献することを期待しながら、もう一度、良心囚同友会と救援運動の友人たちに大きな拍手を送りたいと思います。
2001年6月16日



私たちみんな近いうちにお会いしましょう
−在日韓国良心囚同友会10周年に寄せて−
韓国民主化実践家族運動協議会

 いつの間にか10年の歳月が経ったのですね。
 在日韓国人という理由で、祖国の民主化と統一を願ったという理由だけで良心囚にならざるを得なかった同友会の皆さん。
 日本の地で数々の悲哀を味わってこられた在日韓国人なのに、祖国は皆さん方にもっとひどい苦痛を与えてしまいました。
 独裁政権は自分の権力を維持するため、良心的な在日韓国人たちを犠牲の羊とし、皆さん方は長い間投獄されなければなりませんでした。
 そうして、家族と生き別れになり、病気にかかり、家族全員が引っ張っていかれるなど、長い苦痛の歳月を送らなければなりませんでした。
 しかし、皆さんは自由の身になった後も、日本の地で「在日韓国良心囚同友会」を組織し、祖国の人権向上のため努力してこられました。日本の社会で良心囚の存在を知らせ、彼らの釈放のため力を尽くしてこられました。特に92年には各都市で「韓国良心囚書画展」を開き、韓国の人権向上のために大きく寄与されました。
 しかし元良心囚の方々が祖国を自由に往来されるには、まだ障壁が残っています。
 長い投獄のあと病気になって帰られた孫裕炯先生、お体は大丈夫ですか?李憲治君と成吾君、朴貞淑さん、皆さんお元気ですか?李哲・閔香淑先生にも本当にお会いしたいです。金泰洪先生をはじめ、他の方々も紙面の関係でお一人お一人書けませんが、元気にお過ごしでしょうか?
 10年の記念行事に集まられた皆さん方全員にお会いして抱き合い、その間の積もったお話を直接お聞きしたく思います。
 気持ちではそちらに飛んでいき、共に10年をお祝いしたいのですが、とりあえずこうして短い文をしたため、私たちの思いをお伝えします。
 しかし近いうちにソウルで、日本で私たちみんなきっとあえると思います。本当に皆さんにお会いしたいです。
 同友会10周年を迎えて、これからも民主化と統一、人権の向上のために更に前進されることを信じます。健勝をお祈りします。
2001年6月14日


平和を祈願します
韓国カトリック人権委員会 顧問 金勝勲神父

 祖国の民主化と統一のため努力しておられる「在日韓国良心囚同友会」出帆10周年を心よりお祝いいたします。
 去年の今は南北の頂上は熱い握手と抱擁で半世紀の間続いた分断の障壁を崩し、6・15共同宣言を通じて、民族に統一の展望を開いて見せました。
 3回にわたった南北離散家族の相逢と各種長官級会談などを通じて、統一はこれ以上遠い未来のことではなく、今進行していることであるということを感じることができました。
 いつも祖国の統一と民主化を念願し、長い歳月を互いに助け合いながら生活されている在日韓国良心囚同友会の皆様の健康を祈願します。
 良心囚同友会の出帆10周年おめでとうございます。
2001年6月15日


在日韓国良心囚同友会結成10周年に際しての連帯メッセージ
在日韓国民主統一連合大阪本部 代表委員 李 鐵

 結成10周年を迎えられました在日韓国良心囚同友会の皆さんに韓統連大阪本部を代表して、心から連帯のあいさつを送ります。
 厳しい獄中闘争を闘い抜いて、無事日本に戻ってこられて以来、今日に至るまで、祖国の民主化と統一のために、たえまなく努力してこられた皆さんに心から敬意を表します。
 同友会の皆さんの10年に及ぶねばり強い努力によって、李憲治・金泰洪両氏に続き、金炳柱・孫裕炯両先生の釈放を勝ち取り、在日政治犯の全員釈放を実現することができました。また、書画展をはじめとした様々な取り組みを通して、韓国良心囚の闘い、すなわち民主化・統一運動の正当性を広く訴えてこられました。そのような闘いの上に、昨年6月の南北首脳会談があり、6・15南北共同宣言があったのだと思います。
 しかし、6・15南北共同宣言一周年を迎えた今日、内外の頑強な反統一勢力の妨害も激しさを増しており、祖国統一の道を切り開くには、何よりも南北海外7千万民族の大団結闘争が求められています。
 私たちは、同友会の皆さんとともに、祖国の自主的平和統一の実現に向けて邁進していきたいと思います。
 同友会会員諸氏の一層のご活躍と、一日も早い祖国統一を祈念して連帯のあいさつとさせていただきます。
2001年6月16日

在日韓国良心囚同友会結成10周年祝賀メッセージ
在日韓国民主人権協議会共同代表 宋 悟・河 賢 一

 在日韓国良心囚同友会の結成10周年に際して、心よりのお祝いを申し上げます。
 と同時に、長い間、苦痛と苦難を経験された皆さんが、日本に戻ってこられてからも一貫して、未だに残された人々に思いを馳せながら、すべての良心囚の釈放を実現するために、精力的に活動に取り組んでこられた人間的姿勢に対して、心より敬意を表します。
 私たち民権協は結成以来、在日韓国人良心囚をはじめすべての良心囚の釈放のための運動にとりくんできましたが、その過程で良心囚同友会の存在は私たちにとって大きな励ましであり、実際に運動を進めていく上での貴重な援助もいただいてきました。
 いま私たちの祖国である朝鮮半島も統一の実現に向けて大きな変化の過程にあり、また在日コリアン自身も地方参政権や日本国籍の取得要件緩和問題に見られるように、これからのあり方をめぐって大きな転換点を迎えています。
 そうした中で、良心囚同友会の皆さんが守り続けてこられた、民族としての誇りと、祖国に対する愛情は、これからの在日同胞にとっても貴重なものだと思います。
 良心囚同友会が、結成10年を迎えられ、これからも日本社会に、そして在日同胞社会に対して大きな貢献をはたしていかれることを心より祈念いたします。
2001年6月16日

メール・アドレス:korea@e-sora.net

南北統一と在日、日本社会に誇りを持って歩んだ10年
〜在日韓国良心囚同友会の10年史〜

《1990年》
●1990年12月23日   「在日韓国良心囚同友会」結成

《1991年》
●1991年 8月21日    対大阪入管局交渉

《1992年》
■1992年 3月 8日   「趙伸治氏を偲ぶ会」(解放センター)=趙伸治氏遺稿集『青葡萄・静かにたたかい、逝った』発刊=
●1992年 5月 8〜12日 「
韓国良心囚による書画展(大阪)」(エルおおさか/朴容吉長老、盧泰勲氏招聘)
=「韓国良心囚による書画展/作品集」発刊=
■1992年 5月23〜24日 「韓国良心囚による書画展(神戸)」(神戸市勤労会館)
■1992年 5月29〜31日 「韓国良心囚による書画展(京都)」(日本イタリア京都会館)
■1992年 7月 9日   「夫辛花タリョン」上演集会(新屋英子/開放センター/実行委員会)
■1992年12月22〜27日 「韓国良心囚による書画展(名古屋)」(名古屋市民ギャラリー)

《1993年》
■1993年 1月15日   「韓国良心囚による書画展(東京)」(O(オー)美術館)
●1993年 6月13日   「金ハギ著・李哲訳『完全なる再会』出版記念会」(部落解放センター/金ハギ氏招聘)
●1993年 9月24日   「韓国カトリック調査団(呉神父、崔炳模弁護士)相談会〜姜煕哲氏救援〜」(生野カトリック教会)

《1994年》
●1994年 2月15日   「故ヌッポム文益煥牧師追悼集会」(アピオ大阪)
■1994年 4月 1〜6日   韓国『良心囚のオモニたち…』写真展
(エルおおさか/実行委員会/後援:韓国民主化実践家族協議会)
●1994年 5月14日   「朴炯圭牧師来日記念講演会」(YMCA山西福祉記念会館)
●1994年 9月17日   「徐勝著『獄中19年』出版記念会」(なにわ会館)

《1995年》
●1995年 4月15日   『分断の鉄窓を開けて、今ひとつに』出版記念会
(韓国民主化実践家族協議会編、在日韓国良心囚同友会訳)
■1995年 7月 7日   『「再会」の夕べコンサート〜許慶子さんを偲びつつ…』(吹田メイ・シアター)
■1995年11月15〜19日 「APECに際して韓国政治犯の釈放を求めるハンスト行動」(実行委員会/KCC会館〜聖和教会)
●1995年11月20日   「林書楊先生招聘講演会」(エルおおさか)

《1996年》
■1996年 7月11〜13日  韓国カトリック人権委員会訪日団交流会(生野区民センター〜有馬)
※訪日団:金勝勲神父、李敦明弁護士、柳鉉錫弁護士、呉昌來氏ら9名
★1996年 8月15日    李憲治氏、金泰洪氏釈放実現

《1997年》
■1997年 1月26日    李憲治氏、金泰洪氏帰日歓迎会(ブルー)
●1997年 4月11日   「文昊瑾先生来日講演の夕べ」(エルおおさか)
●1997年 5月〜     北朝鮮住民に愛と食糧を!緊急キャンペーン(第1次/1997年4月〜7月/カリタス・ジャパンへ)
●1997年 8月〜     北朝鮮住民に愛と食糧を!緊急キャンペーン(第2次/1997年8月〜98年4月/カリタス・ジャパンへ)
●1997年 9月12日   「緊急食糧支援・現地報告会」(アピオ大阪)

《1998年》
●1998年 2月14日    ドキュメント『レッド・ハント』上映会(エルおおさか)
★1998年 3月13日    孫裕炯氏、金炳柱氏釈放実現
■1998年 6月11日   「闘いぬいた17年!在日韓国人政治犯・孫裕炯氏歓迎集会」(実行委員会/生野区民センター)
★1998年 8月15日    徐順澤氏、金長浩氏釈放実現
●1998年12月〜     北朝鮮住民に愛と食糧を!緊急キャンペーン(第3次/1998年12月〜99年3月/韓国カトリックへ)
●1998年12月23日   「文益煥牧師著『くすりの手』出版祝賀会」(エルおおさか/朴容吉長老招聘)

《1999年》
●1999年 2月      対韓国政府『赦免・復権/嘆願書』提出(赦免・復権を願う在日同胞一同31名、代表・李哲)
★1999年 2月25日    姜勇州氏ら非転向長期囚19名釈放実現
■1999年11月24日   「姜勇州氏来日歓迎講演会」(実行委員会、在日韓国良心囚同友会)
●1999年12月〜     北朝鮮住民に愛と食糧を!緊急キャンペーン(第4次/1999年12月〜00年4月/カリタス・ジャパンへ)

《2000年》
●2000年 1月29日   「鄭敬謨先生招聘/新春特別講演会」(エルおおさか)
●2000年 8月12日   「南北頂上会談実現慶祝会」(福一)
●2000年10月29日   「李泳禧先生招聘/出版記念講演会」(エルおおさか)

《2001年》
●2001年 6月16日   「在日韓国良心囚同友会/結成10周年祝賀会」(PLP会館)